第5章 ウザい上司 五条×補助監督(R18)
は車の時計に視線を向けた。
今は夕方5時。
冬の夕方は暗くなるのが早いが、ここから任務地まで往復4時間ほど。
簡単な任務だとして…
「…ギリギリ。」
「ん?さんどーかした?」
「いえ。」
は、ハンドルをぎゅっと握り、アクセルを踏み込んだ。
「てか、五条先生も夜任務とか可哀想だよなー。」
「…そうですね。」
いつもより気持ちスピードが出てる。
焦りはしないが、は急いでいた。
「何の任務なんだろ。」
「五条さんは今日は一級3体が同時に発生した地域に行ってます。」
「すげぇ、さん把握してんだ。」
「はい。よく担当する術師のはだいたい把握してますよ。補助監督同士で助け合うこともよくあるので。」
「へぇ。やっぱりすごいや。」
「…そんなことないですよ。仕事のことだけです。」
手元に資料もしてはもってはいても、経歴や術士としてのことを頭に入れていただけで、誕生日のことは知ろうともしていなかった。
は、後悔していた。
「そうなん?」
「五条さんは……」
仕事中にこんなことを聞いてもいいだろうかと、は迷った。
しかも生徒である虎杖に。
は昼間の自分の発言を思い出した。
1ヶ月会いにくるなと、冷たく言った自分を。
“今日は”これで我慢といった五条のことも。
「五条さんは、どんなものが好きなんでしょうか…」
「うーん。好きなもの?」
「はい。お世話になってるので、誕生日プレゼントを贈ろうかと。」
「先生、甘いもの好きだよ。」
「ふふ、そうですね。」
いつもお菓子食べたり、甘いカフェオレやジュースを飲んでる五条さんを思い出しは笑った。
「なんか先生彼女できたっぽいんだよなー。」
「……先生がそう言ってたんですか?」
「いや、先生あんま自分のこと話さん。」
「前にどんなひとが好きかって話なった時。先生、こう言ってたんだ。」
『僕にだけ甘えてくれる子かな』
穏やかに言う五条の表情が、には容易に想像できた。