第5章 ウザい上司 五条×補助監督(R18)
「お、怒るって、そういうことじゃなくて…!“もう!五条さんっ!”みたいなぷんぷんした感じのことじゃん!」
途中のモノマネをいれつつ、五条は焦っていた。
「怒ってますよ。話は終わりです。出てってください。1ヶ月来ないでくださいね。」
は五条のほうを見ることもなく、そう言い切った。
カタカタとパソコン仕事をし始めたに視線を向けつつ、五条はくすんと鼻をすすった。
「…わかった、今日はもう僕から会いに来ないよ。」
に聞こえるかどうかわからないくらい小さな声で五条は呟くと、とぼとぼと部屋から出ていった。
「はぁ。もう。」
は呆れた声を出しつつ、やっと集中できるとパソコンに視線を戻した。
仕事以外でもたまに会っている2人。
はそれで充分じゃないかと思っていた。
仕事は仕事。
プライベートはプライベート。
はまた今度五条とはきちんとその辺りを話し合わないといけないと、先程のしょんぼりした五条の姿を思い浮かべながら、そう考えた。
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「と、以上が今回の任務内容になります。」
「はーい!」
「それじゃ、車で向かいましょうか。」
「お願いしまっす!」
元気いっぱい返事をした虎杖に、は資料をカバンにしまい、車に乗り込んだ。
「今日はかなり冷え込む予報なので、お気をつけて。」
「東北出身だから、へーきへーき!」
その日の夜、は虎杖と2人で北関東に向かっていた。
虎杖くん1人で簡単にできる任務だ。は彼の補助として車で付き添っていた。
「にしても、昼間の間にパーティーできて良かったー。」
後ろに座る虎杖の話を、は黙って聞いていた。
「今日夜みんなそれぞれ任務あるからさー、ま、昼間サプライズできたけど。」
「サプライズ?誰か誕生日だったんですか?」
「え?せんせーだよ!五条せんせ!」
「…え。」
はバックミラーで虎杖に視線を向けた。
にこにこと楽しそうにしている。
昼間のパーティーがよほど楽しかったのだろう。