第5章 ウザい上司 五条×補助監督(R18)
柔らかい唇がのうなじに這っていく。
仕事中は髪の毛をまとめているは、肩に力を入れ身を捩った。
「下見てないで、こっち見てよ。」
「…ん」
ぞわっとして、は声が出そうになるのを必死に我慢した。
そんなを揶揄うように五条はわざと音を立てて、首や耳にキスを落としていった。
「…だめっ……っ…」
「破壊力やば。」
真っ赤になった耳に指を沿わせ、五条はにやにや笑った。
「軽く…キスだけって……」
「あ、キスいいってこと?やった。」
その言葉を待ってましたと言わんばかりに、五条はの顎を掴み後ろに向かせた。
「…んっ!」
体制的にキツいは、身体を少しだけ五条の方に向き直し、五条の二の腕あたりの服をぎゅっと強く掴んだ。
固く重なり合う唇。隙間なく、空間すら通さないように。
ぐーーっと押さえつけられ、は五条の胸を押した。
動きもせず、ただ重ねられるだけのキスに戸惑っていた。
鼻で息を吐くのも、だんだんキツくなってきたは離れようとしたが、後頭部にある五条の大きな手のひらがそれを許してはくれなかった。
「…んっ!…んんっ」
声で訴えるを無視する五条。
五条は椅子に座ったままのを、自分の方に向かせ、背もたれにグッと強く押さえつけた。
ふーふーと、鼻で息をするに、五条は笑いを堪えながらも唇は離さなかった。
ただ重ねるだけのキス。
が五条の脇腹や二の腕を叩いて訴えるのを、しばらく楽しみ五条はゆっくりから唇を離した。
「…っは!!」
はー はーっと呼吸を荒げ酸素を取り入れるに五条は頬を撫でた。
「軽くだけっていうから、舌入れなかったよ。いい子でしょ。」
「…っ!」
「鼻呼吸苦手すぎない?くくっ。」