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短編集【呪術廻戦】

第4章 私の恋 高専夏油


「男だけで遊んでると、テンション上がって女の子と遊びたくなるんだよ。」
「…先輩も?」

夏油先輩もイカ焼きをもって、私たちはまたななみんたちのいる場所に歩いた。


先輩は両手に一つずつイカ焼きを持って、笑った。


「どうかな。悟があんなだし、ないかな。」
「あんな…ふふっ。」

確かに五条先輩は、知らない女の人に声かけることはしなさそうだ。

「お祭りとかって、誰と遊ぶかって重要そうですよね。私今とっても楽しいですもん。」
「…よかった。にとって私はそういう相手なんだね。」
「そりゃそうですよー!あ、先輩。一口どーぞ。」

私はイカ焼きを先輩に差し出した。


「え?」
「すっごく美味しいですよ!熱い方がいいです!先輩、両手塞がってるから。」

私は自分が齧っていない方を向けて先輩の口元に持っていくと、先輩はあむっと一口食べてくれた。


「うん、ほんと。美味しいね。」
「炭焼きの香りとタレが最高です!あ、先輩、ちょっと止まって。」


私は巾着からハンカチを取り出した。


「私、下手くそだから、ついちゃった。」
イカ焼きのタレが先輩の口元についてしまって、私はハンカチを持って手を伸ばした。

「……。」

先輩の頬の辺りを拭いていると、先輩と目があった。
思った以上に先輩が近くて、自分が何をしてるのか我に帰ったように手を引っ込めた。


「あっ…つけちゃってごめんなさい。」
「ううん、ありがとう。」



「イカ焼き持ってキスとか、雰囲気ねーな、お前ら。」


急に後ろから声をかけられ、私はハンカチを巾着に慌てて戻した。


「悟。馬鹿なこというな。汚れを取ってもらってただけだよ。」
「へぇー。あ、イカ焼きさんきゅー。」

五条先輩は夏油先輩からイカ焼きを受け取り、歩きながら早速口に頬張った。

片手にはビニールに飲み物をたくさん持っていた。

「みんなの買っといたよー。」
「ありがとう、硝子先輩。」
「酒飲む?」
「飲まないですよっ。」

優しい顔して相変わらずガラ悪いな!と、私はこころで突っ込んだ。

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