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短編集【呪術廻戦】

第4章 私の恋 高専夏油


あの後髪の毛を硝子先輩にセットしてもらった私は、硝子先輩と二人で待ち合わせの場所に向かっていた。


「七海たちもくるんでしょ。」
「はい!声かけてます!任務も特にみんな入ってなくてよかった。」

小さな巾着をゆらゆら揺らしながら私は草履を踏み締めた。
靴擦しないようもう絆創膏を前もって貼っている。


「ここから遠いんですか?」
「いや、すぐそこの神社だよ。小さな神楽とかもやるみたい。地元の人たちのお祭りだよね。」
「へぇー。」

硝子先輩と歩きながらちらっとそちらに視線を向けると、硝子先輩は巾着から取り出したタバコを一本口に咥えた。


「もー、先輩。今日くらい我慢しましょ。」
「えー。みんなが来るまでならいいじゃん。」

私は先輩の手にある一本のタバコを手から取って握りしめた。

「辞めろってまでは言いませんから。先輩勉強すごい頑張ってますし、行き詰まったときとか、任務で大変なときとか、そう言う時に発散のために吸いましょ?」
「…むー。」


「ね?」

心配してるってことを伝えたくて、先輩の手を握り見つめて言うと、わかったわよ。とタバコを巾着の中に仕舞い込んだ。


「じゃあ、イライラさせないでよ。」
「えっ!?私イライラさせてますか!?」


何をしてしまっただろうかと、考えを巡らせていると、硝子先輩が私の頬を強くつついてきた。


「夏油とはやくくっつけ。見ててイライラさせんなよ。」
「えええ!?くっ、つくとか!まだそんな!」

「告白しなさいよ、もう。今日。じゃないとタバコ吸うから。」
「ま、まって!それはさすがに!」

だって、私は別に夏油先輩のこと…!


「まさか、この期に及んで“好きかわかんなぁい。”なんて、ガキみたいなこと言わないよね?」
「…っ!」
「はぁ?バカじゃない?今ちょっとイラついたからタバコ吸っていい?」

巾着からタバコを取り出そうとする硝子先輩を私は必死でとめようと手を伸ばした。


「イラつかないでくださいっ!今日は我慢ですっ!」
「んで、するの?しないの?」


にやにや笑って言う硝子先輩を私は困った顔でみつめた。


告白なんて…できるわけない。そんな勇気ない。
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