第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
背の高い先生は少し前に顔を出してくれたので、私は先生の両頬を手のひらで触れた。
「ーー…先生。」
私はそのままぐっと自分の方に先生を引き寄せた。
むにっと合わせた唇。
先生がびくっと固まったのがわかって、私はすこし嬉しかった。
しばらくして私はゆっくり先生から唇を離すと、先生は少し困ったような照れたようなそんな仕草で私のおでこをぺしりと叩いた。
「こら。卒業までだめって言ったでしょ。」
「先生からはダメでも、私はいいでしょう?」
「…………だめ。」
少し間をあけ、小さい声で言う先生に私は笑った。
「初めて男の人と手を繋いだのが先生なんです。だから、私の初めてのキスも、初めてのデートも、初めてのえっちも、全部全部先生がいい。」
「…全部卒業したらね。」
「キスはもうしましたよ?」
「卒業したらね!!!」
「私からはダメですか?あと2年も待てないです。」
「僕の口からは…良いとは言えない。イチオウキョウシ」
一度先生から手を離してしまうとまた術式で触れなくなるのかもしれないと思って、私は先生から手を離さなかった。
「、両親に従順で大人しいかと思ったけど、結構積極的なのね。先生困っちゃう。」
「先生、私も青春したい。」
「こらこら。」
私の手首を持って少し距離を取ろうとする先生から、私は絶対に離れなかった。
「お願い、先生。」
「じゃあ、たまに二人で話をしよう。二人の時間をつくろう。」
せめてもの妥協案だと、先生はそんな感じで言ったので私は頷いた。
「もう一回。キスしてもいいですか?」
「だめ。」
はっきり断られ私は不貞腐れながらも、じっと先生を見つめた。