第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
「僕の目を見ても怖がらない。馬鹿っぽい顔でただ僕にすがって手を伸ばしてきたのがだった。」
私は黙ってただ先生の言葉を聞いていた。
「ふわふわの小さな手を繋いで屋敷の中を隠れながら歩いた。はずっとへらへら笑っててさ。この小さくて弱い生き物を守りたいって生まれて初めて思ったんだ。」
小さくて弱い…
私はふふっと笑った。
まるで子猫を拾った少年のような感想だ。
「それは今も変わらないよ。」
「……!」
ぽんっと頭に手を置いて笑う先生に、私は驚いて見上げた。
「あの時は誰かわからなかったけど、またの両親が君を連れて僕に会いに来た時、すぐにあの時の子だとわかった。僕が結婚を断ったらは別の男のところに嫁がさせるんだろうと思ったら、嫌だった。」
「…先生。」
「安心して。ちゃんと僕にとっても望んだ結婚だから。どんどん綺麗になっていくをもう手放したくないって思ってるから。」
だから、今回公表したしね。
と、先生はすりっと私の頬を撫でた。
「ふふ。のほっぺ……」
私の頬をフニフニさわる先生を私はむっと睨んだ。
「なんですか?赤いですよね。」
赤面してる自覚はある。
こんなふうに先生に言われるとは思わなかったから。
「いや。赤いのはそうなんだけど、あの時のの手と同じくらいぷにぷにしてる。」
「あ、赤ちゃんじゃありませんっ!」
私は先生の手を避け、自分の両頬を押さえた。そして、私はもう一度先生に手を伸ばした。
「先生のほっぺも…触っていいですか?」
「ん?どーぞ。」