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短編集【呪術廻戦】

第3章 お願い先生っ! 五条×生徒


先生は黙って私が触れることを許してくれていた。



「初めて先生に会った時から、ずっと好きなんだと思います。私、将来五条家の一員として先生を支えられるようここで必死に学んで、成長したいと思います。」

先生からしたらまだまだ子供の戯言のように聞こえるかもしれないけれど、私にとっては真剣で、心からの言葉。


「さっき、真希が“家同士で大変だ”って言ってたでしょ?」
「…はい。」

真希ちゃんたちからみたら、家が勝手に決めた政略結婚のように見えるんだろう。
私たちにはどうにもならない、仕方ない結婚。


「僕は嫌なら結婚はしないよ。だから選んだ。」

「ーー…え?」


ずっと先生にとって私は数ある候補者の一人で、家の人間だから選ばれたと思ってた。
たくさんお見合いの声がかかって、わずらわしいそれを黙らすためのとりあえずの私だと思ってた。


「知ってる?初めて会ったのって僕が14かそのくらいの時なんだよ。」
「……そうなんですか?」
「まだは無垢な子供で、なんか一人でとことこ歩いててさ。」

私が、2歳か3歳のころ?
何も覚えていない。


「もー、そん時僕は荒れに荒れててさ。行ってみたい学校も行かせてもらえない、修行に勉強にってそれが嫌で仕方なくてね。次期当主ってことで集まりとか行かされて…」
「そんな時もあったんですね。」
「うん、でも抜け出してサボったの。そん時に会ったのがだった。ちっこくて弱いくせに僕の後ろをへらへら笑ってついてきたの。」
「…うそ。」

全然覚えてない。

「ついてくるなって怒ってもへらへら笑って、ベタベタ触ってきて、“五条悟だぞ!”って脅しても笑うだけ。」

五条悟だぞって脅せるのが面白くて私はつい笑ってしまった。



「手を伸ばしてきたから、繋いであげた。」


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