第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
みんなと一緒にいくのならいいよー。と、今日ボーリングの練習に行くことを許可してくれた先生は教室から出て行った。
私は立ち上がって先生を追いかけた。
「先生っ!」
「ん?」
廊下で前を行く先生を呼ぶと振り返った。
「…あの、色々してくださってありがとうございます。先生気にしてずっと謝ってたから。」
「僕ね。」
先生は優しい声で話し出した。
「と同じ2年のころはすっごい遊んだの。」
「はい。」
「それはもう馬鹿みたいにね。」
昔を懐かしむように話す先生を私は黙って見上げた。
本当に楽しかったのだろう、先生の表情でそれがわかった。
「16になったは、一応もう僕と結婚をすぐすることは出来る。でも、今しかできないことをにもしてほしいんだ。」
「はい。してます。私、今すごく学校が楽しくて、みんなと一緒にいるの幸せです。先生が作ってくれた時間ーー…。」
五条家に嫁ぐ条件が、高専を卒業することだったから。
「の家にいたままだと、たぶん高専に通うことなく、 術式の稽古中心に花嫁修行をしてどこかの良家に嫁がされていたと思います。でもここに来れたのは先生が条件を出してくれたからです。」
先生のおかげでみんなに出会えた。
かけがえのない友人たち。
「学校にこれて幸せです。みんなと過ごす時間が楽しいです。でもそれは先生も一緒です。五条先生がいるから…学校が……楽しいです。」
「…。」
私は少しだけ勇気を出して先生の黒い服の裾に手を伸ばした。
最初は先生の術式のせいで、それ以上手が進まなかったけれど、先生は術師を解いたのか、私は先生の服を軽く掴めるようになった。