第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
「投げ方も持ち方も知らないんだから仕方ないよ!さんも早めに練習行こうね。」
にやにや笑う棘くんを押し退けながら、憂太くんが言った。
「が放課後行けそうにないなら、先生に頼んでこの後行こうぜ。」
にやっと笑う真希ちゃんは、学校をサボる口実ができて少し嬉しそうだ。
「はは、五条先生なら行かせてくれそう。」
「ツナマヨ。」
憂太くんと棘くんが笑っているのをみながら、私はパンダちゃんがまだきていないことに気がついた。
私がキョロキョロしていると、それに気付いた真希ちゃんが教えてくれた。
「パンダなら昨日から泊まりの任務だぜ。京都の方に学長と行ってるらしい。」
「そうなんだ。」
生徒が揃ってないならなおさら授業じゃなくて、ボーリングに行かせてもらえるかもしれないと、私は期待した。
「じゃあ、先生来たら頼んでみようか。さんも初めてなんだよね?ボーリング。」
「うん。」
「前の練習で覚えたこと教えてあげるよ!」
うきうきと話す憂太くんに私は頷いた。
「うん、お願い……「だめだよ。」
お願いするね。と、憂太くんに言おうとしたけれど、後ろから出てきた大きな手が私の口を塞いだ。
「ご、五条先生っ!」
神出鬼没でどこからやってきたのかわからない先生に、みんなが驚いていた。
「急に出てくんなよ!アホ教師!てか、何がダメなんだよ!ボーリングか!?」
真希ちゃんが立ち上がり大声を上げた。
私は口元にある白く大きな手にドキドキして何も言えなかった。
「ボーリングはいいよ?だけど、今はちょっと憂太と二人はだめ。」
「はぁ!?」
「僕!?」
五条先生の言葉に真希ちゃんは怒り、憂太くんは驚いていた。
「…先生?」
私は後ろに立つ五条先生を見上げた。