第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
髪の毛もさらりとお手入れされ、前髪はぴっちり七三割に。
高校生らしいナチュラルだけどわかるくらいにメイクをされ。
制服は埃一つついてない。
「放課後結婚式でもいくのか?」
「…わかんないの。なんか…家の人にされた。」
真希ちゃんにじろじろ見られ、私はため息をつきながら席に座った。
「すごい…さん、綺麗だね。」
「あ、ありがと。憂太くん。」
ど直球に言われ、私は素直に恥ずかしかった。
憂太くんも、珍しい物を見るかのように、私の近くに来てちらちらと見てきていた。
「二人とも。そんなに見られたら恥ずかしいよ…。」
「いや、だって。じゃないみたいだもん。な?憂太。」
「うん、すごく綺麗。」
「しゃけー。」
「あ、おはよう、狗巻くん。」
挨拶がわりに具材を言いながら棘くんが教室に入ってきて、さっそく憂太くん棘くんを呼んだ。
「こんぶ、うめっ」
棘くん驚いたように私を指差した。
「棘も驚くだろ?そのくらい違うんだよ、。」
「放課後どこか連れて行かれるのかな…。」
私がぽそっとつぶやくと憂太くんが少し残念そうに私の横の席に座った。
「じゃあ、今日もボーリングは行けないかな。」
「あ、そっか。行きたいなー。」
ボーリング大会は今週末だというのにまだ私だけ練習していない。
こんだけ急に整えられたのだから、もしかして放課後に実家に連れ戻されるのかもしれない。
なにかの集まりの時は、たまにこうやって化粧させられたりしていた。
「でも、憂太くんたちと練習もしたいなー。あ、昨日どうだったの?憂太くん上手くできた?」
私が聞くと、真希ちゃんと棘くんが声を出して笑い出し、昨日の様子を話して聞かせてくれた。
「や、やめてよ!真希さん!」
顔を真っ赤にして照れる憂太くんは、どうやら本当にボーリングが最初はうまく行かなかったらしい。