第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
次の日、早くに寝過ぎてしまった私は早くに起きてしまった。
外はまだ薄暗い。
泣いてしまった私は腫れた目をどうにかしようと、ベッドから立ち上がった。
「おはようございます。」
「うぁぁぁあーー!!」
ベッドの横で女の人が立っていて、私は驚いてまだみんな寝てる時間だと言うのに大声をあげてしまった。
着物を着た女性。
知ってる女性だ。の家のお手伝いさん。
「こんな時間にそのような声を出されては他の方のご迷惑ですよ、さん。」
「えっ、あ、はい。え?」
「ほら、朝の準備のお手伝いをいたしますので、顔を洗ってきてくださいな。」
私をきちっと立たせ、女中さんは私の背中を押した。
なんで?なんで?
と考えたいけれど、寝起きの頭ではあまり考えられなくて、私はとりあえず冷たい水で顔を洗いに行った。
私の小さい頃からいる家のお手伝いさん。
私のことをよく知ってくれている人だけれど、高専に入ってからは学校、任務など色々あってほとんど会っていない。
藍色の着物をきちっときた女中さんは、私が顔を洗って高専の制服を着ると、椅子に座らせた。
「…あの?」
「はい、前を見ててください。」
「…?」
ぴしゃりといわれ、私は黙って言われるがまま前を見た。
「さて、腕がなりますね。」
女中さんはにっこり笑うと着物の袖をぐっと肩まで上げた。
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「おはよう…。」
女中さんに見送られ、私はどっと疲れた様子で教室に入った。
「おはよう、さん。」
「よ、。体調はどうだ……って、どうした。」
憂太くんと真希ちゃんが席にすわったまま、私を見て驚いていた。
そりゃそうだ…だってーー…
女中さんに綺麗にメイクや髪の毛のセット、制服を整えられ、見た目を全て磨き上げられてきたのだから。