第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
「五条家の当主だから、嫁何人になるんだろうなー。あいつの嫁とか大変そうだよな。知ってる?最初禪院家のうちら双子が産まれた時、赤ん坊のうちらをまだ10代の五条悟の婚約者にするって話も出てたんだぜ?まぁ、うちらが呪力無しの才能無しってわかってからは、そんな話もなくなったんだけどな。あの頃は女の子が産まれたらまず、五条悟に嫁がせたいって風潮だったよな。」
私の前を歩く真希ちゃんは、ずっと話をしてくれていたけど、私は聞くだけであまり返事もできなかった。
たしかに、私の競争相手は多かった。
今もきっと先生のところには、自分の娘を嫁がせようと話が来ているに違いない。
ーーー…そんな中で、なんで私になったんだろう。なんで、先生は私を選んでくれたんだろう。
家だったから?
私の術式が1番役立ちそうだったから?
「?」
「…ごめん、真希ちゃん。私やっぱり今日休む。」
「確かに顔色悪いな。送ろうか?」
真希ちゃんの申し出に私は首を振った。
一人になりたかった。
私は自分の寮の部屋に閉じこもった。
考えたって仕方ないとわかってはいても、悩まずにはいられない。
「ーー…だって好きなんだもん。」
先生が好き
初めて見たあの日から
だからお願い、悪いニュースを持ってきませんようにーー…
私はカーテンの閉めた少し薄暗い自室のベッドに座り、連絡が来るかもしれないスマホを見つめた。