第7章 次々と
「えっと……こっち来て!」
俺は高いところに上がってすぐさまクリーパーちゃんに「おいで」の指示を出す。クリーパーちゃんはテレポートして俺のところに来たが、ここでじっとしていると今度はスケルトンに狙われそうだ。
「ほら、こっちこっち! おいで!」
声で反応しないのは頭では分かっているんだけれども、人間慌てるとそこまで冷静でいられない。俺はクリーパーちゃんがなぜそこから動かないのか分からなかった。
「なんで動かないの?!」
そう言いながら俺は急いでクリーパーちゃんに「おいで」の指示を出す。そうして安全地帯まで逃げ込んだ時、ようやく別の指示があったことに俺は気がついたのだ。
「もしかして、これだったか?」
と俺がクリーパーちゃんに「ついて来て」を指示。すると、まるでペットみたいにクリーパーちゃんは俺について来た。
「ついて来てとおいでって、絶対罠じゃん」
面倒くさいな〜と俺がボヤくと、視聴者たちは満足したように笑っている様子。まさかこれを狙って選択肢が妙に多いんじゃ……。
「とりあえず、クリーパーちゃんに黒曜石を掘ってもらうか」
俺はマグマ溜まりまで戻ってバケツをクラフトした。近くに水があるのでそれを掬い、マグマ溜まりを固める。マグマ溜まりはあっという間に黒曜石になった。
それから俺はクリーパーちゃんを呼び、ダイヤのツルハシを渡してみた。やはり先程の仕様と同じく、鉄のツルハシを投げ捨ててダイヤのツルハシに持ち変える。俺は早速、クリーパーちゃんに黒曜石に向かって「掘る」指示を出してみた。
ボコボコと採掘の音を立てながら、クリーパーちゃんはあっという間に黒曜石もろとも周りの岩石を掘り出した。面倒なのは、その後ダッシュしてしばらく遠くまで掘り続けてトンネルを作ることなのだが。散らばるブロックのおかげか、ワールドが少し重いみたいだ。
「よし、ネザゲは地上で作るか」俺は黒曜石を拾いながら言う。「クリーパーちゃんはおいでで来るよな……あ、来た来た」
クリーパーちゃんに「おいで」の指示を出すとすぐに俺のそばまでテレポートしてきた。俺はしっかり「ついて来て」も忘れずに指示を出して地上へ向かった。