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鈴をつけたクリーパーちゃんとエンドラ討伐

第4章 前途多難


「ちょっと! やり過ぎ!」
 まさかの仕様? に俺は思わず大声を出しながら急いでゲーム内チャット欄を開いた。選択肢の「おいで」をクリックすると、目にも止まらない早さでクリーパーちゃんが俺の隣に戻ってきた。
「見て見て! すごいでしょ! たっくさん掘ったよ!」
 クリーパーちゃんはそう言いながら楽しそうだ。
「いや、まぁ……確かにすごいけど」
 と俺が見やった先には、クリーパーちゃんが掘った(というか爆破させたんじゃ?)地面がトンネルのように斜めへ地下へと続いていた。その浅いところに鉄鉱石が落ちていて、これはラッキーと拾いに行くとクリーパーちゃんもついて来た。
「鉄はなんとかなりそうだな」
 と言うと、クリーパーちゃんはぴょんぴょんと跳ねた。
「アタシ、役に立った?」
「役に立ったよ〜、ありがとう〜」
 そうクリーパーちゃんにただ礼を言っただけなのに、配信のチャット欄は別のことで騒がしかった。たいたい、女の子に弱いもんな〜とかなんとか。
「石のツルハシでこれなら、鉄ツルハシならもっと掘るのか……?」
 鉄は余分にある。クリーパーちゃんの分も作って渡してみよう、という話をしていたところでドドドドド……! と恐ろしい音が横から聞こえた。
「え、なになに?!」
 振り向けばさっきまでクリーパーちゃんがいたところにまた大きなトンネルが。
「たいたーい! あと何回掘ったらいいー?」
 トンネルの奥で、クリーパーちゃんがそう叫んでいるのが聞こえた。
「……待ってて! もう掘らなくていいから!」
 俺は慌てて、クリーパーちゃんの指示を「待ってて」に切り替えた。
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