第3章 鬼畜orチート?
「ほら、これ持ってね〜」
とりあえず俺が石のツルハシを投げ渡すと、クリーパーちゃんはすぐに拾いに来てスムーズにそれを手に持った。持てるのか。俺と同じ反応がチャット欄にも流れる。
「ねぇねぇ! これをどうしたらいいの?」
石のツルハシを片手にクリーパーちゃんはぴょんぴょんと跳ねた。それだけでなく、その辺りでぶんぶんと振り回すものだからめちゃくちゃ危ない。
「待って待って、それは武器じゃないから!」
俺はツルハシを凶器にするクリーパーちゃんから逃げながらそう言うと、ようやくクリーパーちゃんが立ち止まった。
「武器?」
そこで俺は振り向いてクリーパーちゃんにカーソルを合わせて見ると、ゲーム内のチャット欄に選択肢が表示された。選択肢は以下の通りだ。
ついて来い
待ってて
おいで
掘る
「ああ! こうやって操作するのか」俺はマウスを動かした。「じゃあ君は、今から採掘師です!」
カチッと「掘る」指示にクリックした俺。クリーパーちゃんは分かった! と一度ジャンプをして……。
「そーれ!」
ダダダダダダダダダダ……!
地面にぽっかりと大きなトンネルが出来たのだ。