第18章 エンドへ
ベットを置き、カンコンポンと音を立ててポータルに嵌ったエンダーアイは、俺が次に進むゲートを開いてくれる。
よく見ているポータルの色だが、何度見てもよく分からない色だ。真っ黒って訳じゃないし、眺めていると変な感じがしてくる。
「よし、リスポーンは設定したし……大丈夫だな」
不憫枠な俺(不名誉な枠だ)でも、隔離されたポータルのおかげで、敵がどんどん流れ込んでくることはなかった。俺は手持ちを整理し、深呼吸をした。もちろん斧はもう一本新しく作った。
「クリーパーちゃんを助けに行こう!」
俺は意を決してポータルの中へ飛び込んだ。少しのロード時間のあと、見えてきたのは黒曜石とエンドストーンの色。このエンドのスタート地点は島タイプだった。
見通しがよく効くエンドに、俺の画面は見慣れないものを映した。まずボスバーの名前。本来エンドラの体力を示すそこには二本のバーがあり、名前も二つ表示されていた。
黄金エンダードラゴン
クリーパーちゃん
「……え?」
俺は一瞬絶句した。どういうこと?
そうしてゆっくり考える間もなく、謎の名前が追加されているエンドラのブレスが飛んできた。俺はすぐにブロックを取り出して橋を架け、難なくかわす。
いや、そんなことより。さっき飛んできたブレスの色といい、見えているものといい、一体何がどうなっているのか。俺はもう一度空を仰ぎ、そこに飛び回るエンドラをよく観察してみた。
黄金エンダードラゴンは、その名前の通り黄金の翼でそこらを飛び回っていた。体や手足はいつも通り黒いのだが、異色の黄金につい目がいく。
「たいたい!」
声が聞こえて視線を下ろすと、黒曜石の柱の上に、見慣れないものが設置されてあった。鉄格子で出来た檻の中に、緑色のパーカーを着た女の子が捕まっていたのである。
「クリーパーちゃん!」
鉄装備はすでにしていなかったが、クリーパーちゃんだった。
俺がクリーパーちゃんに駆け寄ろうとすると、遮るように黄金ドラゴンが割り込んできた。
「よく来たな、名も無きクラフターよ」
俺の目の前に下り立つなり、エンドラが喋った?! めちゃくちゃいい声で!
見ると視聴者さんたちも大歓喜だ。例の人の声だと嬉しそうにコメントが流れていく。