• テキストサイズ

鈴をつけたクリーパーちゃんとエンドラ討伐

第15章 いよいよ


 何はともあれ、なんとかエンダーパールを入手した俺たちは、オーバーワールドで最後の段階に差し掛かっていた。
 エンダーパールとブレイズロッドをクラフトし、エンダーアイを作る。
「すごーい! たいたい、こんなこと出来るんだ!」
 クラフトしただけで褒めてきたクリーパーちゃんだったが、悪い気はしなかった。これ、声は誰がやっているんだろう。声付きのMOBなんて、手が凝ってるなぁと思う。
「今からエンダーアイを投げて要塞に行くよ」
 と俺が言うと、クリーパーちゃんは首を傾げた気がした。
「要塞って、ネザーにあったやつ?」
「いや、エンド要塞ね」
「エンド要塞!」
 クリーパーちゃんはぴょんぴょんと跳ねた。可愛い奴だ。
 俺はいつものルーティンでエンダーアイを用意し、投げてみた。エンダーアイが飛んでいく方角を見、エンダーアイが壊れていないことも確認した。
「よし、行くか……」
 と俺がクリーパーちゃんを振り向いた時だった。

 ドドォ……!!

 耳が壊れそうな爆音に、俺はついヘッドセットを外しかけてしまった。
 慌ててつけ直したが、今見えているものが激変することはなかった。
「たいたい!」
 クリーパーちゃんは、突如現れた真っ黒な鉤爪に捕まっていたのだ。俺の方に手を振るクリーパーちゃんをはっきりと目視し、斧を構えた。
「おい、やめろ……っ?!」
 鉤爪に斬りかかろうとした時、見えない力に弾かれて俺は吹き飛び、近くにあった川へと沈んだ。次には画面いっぱいに、鉤爪の正体であろうソイツの言葉が映り込んだ。
「爆破物は全て消し去ってやる!!」
 カン! と金床みたいな鋭い音が鳴った。俺は急いで岸に上がったが、クリーパーちゃんを掴んでいた鉤爪はどこにも見当たらず、凸凹に変形した地形や真ん中がない木などが浮いている景色ばかりが広がっていた。
「え……どういうこと?」
 俺がとうとう発した一言はそれだけ。配信のチャット欄は大盛り上がりだった。
/ 35ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp