第14章 道のり
「俺じゃダメなのか……? クリーパーちゃん、鳴らしてみて」
「はーい!」
俺から鈴を受け取ったクリーパーちゃんは、素直に返事をする。そういえば、鈴を「鳴らす」という指示コマンドがあるのかどうなのかとチャット欄を開いてみたが、ない。ということはどういうことなのか、と考える間もなく、クリーパーちゃんはリンッと鈴を何度か鳴らした。すると……。
「ギシャア!」
エンドラ討伐お馴染みのエンダーマンの声。俺は思わず飛び退いた。
「えっ、どこ?!」
と俺が画面を急いで三人称にした時だった。
「ギシャア!」
「グギャア!」
「ギィイ!」
とんでもない数のエンダーマンに囲まれ、俺はもれなく死んだ。直前、爆発音も聞こえた気がする。クリーパーちゃんが爆発したんだ。
「クリーパーちゃん、大丈夫かっ」
俺がネザーに駆け込んだ時には、そこにはぽつんと立つクリーパーちゃんと、その足元に広がる数々のエンダーパールだった……。
「まるで最終兵器みたいな」
俺は思わず口にしてしまった。なんかの映画でこういうの見たことあるぞ。