第13章 特殊らしく?
「えいっ」
「ギギッ!」
クリーパーちゃんはエンダーマンに一撃をお見舞いした。途端に姿を消したエンダーマンに、クリーパーちゃんはかなりびっくりしていた。
「ええ、消えちゃった!」
「エンダーマンはテレポートするからね」
初心者にゲームを教えるコーチの気持ちになりながら、クリーパーちゃんの言葉に俺が答えていく。ゾンピグすら引き寄せるクリーパーちゃんに、エンダーマンが最初から敵対しないのは不思議だが、まぁそういうのは、調整というやつなのだろう。
「わー! エンダーマンが追いかけてくるよ!」
とクリーパーちゃんがエンダーマンに追われ始めたところで俺はボートを置いた。
「クリーパーちゃん、こっち!」
「うん……!」
クリーパーちゃんに呼びかけると、素直に俺の方に走ってきた。そのまま俺に飛び込んできてなぜかダメージが入ったが()なんとかエンダーマンはボートで捕まった。
「エンダーマンはこうやって倒すんだ」
「へぇ〜……アタシもやってみたい!」
俺がエンダーマンを倒すのを見、クリーパーちゃんはせがむようにぴょんぴょん跳ねた。あの遠目にいるゾンピグが、こっちに寄って来ないか心配だ。
「ボートは持つのか……?」
俺はクリーパーちゃんにボートを投げ渡してみた。すると、すぐに斧を投げてボートに持ち変えた。……さすがに盾以外はアイテムは一つしか持てないか。
「エンダーマンが来たらボート置いてよ?」
と言うのは、ボートはその一つしかなかったのだ。一つはネザー要塞でブレイズに燃やされ、他の複数のボートはネザーに来た時にクリーパーちゃんに爆発されて失くしている。クリーパーちゃんの指示コマンドも「戦う」から「置く」に変わっている。よく出来たコマンドだ。
「分かった!」
元気に返事をするクリーパーちゃんに、俺は不安を感じていた。……パール、どうやって集めよう。さっきのエンダーマン、パール落とさなかったし。