第12章 敵寄せの鈴
「こんな埋まってる要塞なんて探すの無理だろ」
俺はクリーパーちゃんを助けたのちそうボヤいた。クリーパーちゃんの爆発でようやく見つけたネザー要塞は、三方向ほとんどが地形に埋まっていたのだ。
それに唯一見える開けた場所は、初期地から真反対の方向で、それも少し角度が違うと見落とすくらい発見しづらい位置にあった。こんなことあるのかよ。
「わー、たいたい、なんか来るよー!」
そして自由奔放なクリーパーちゃんは要塞内をウロウロし……ちょっと待って! ウィザスケが来てる!
「待て待て!」
俺は急いでボートを取り出してウィザスケを確保した。それから通路にブロックを置いて他のウィザスケも来られないようにする。
案の定遠くに見えたブレイズが火を撃ってきてボートを壊されたが、間一髪ブロックを置いていたのでウィザスケの攻撃は届かなかった。
「へぇ、そうやって戦うんだ!」
クリーパーちゃんはそう言ってぴょんぴょん跳ねた。リンリンと敵寄せの鈴みたいな音が鳴る。
「あんまり鈴鳴らさないでよ? また敵がくるかもだし」
「大丈夫! アタシ、ちゃんと倒すもん!」
俺が言ってもクリーパーちゃんはこんな感じだ。
念の為クリーパーちゃんにブロックを渡してみたが、ブロックを持つことは出来ないみたいだった。さすがにチート調整か、なんて俺が呟くと視聴者たちも満場一致で「確かにね」と返ってきた。