第10章 仕様?
「あ、剣持たせるとかどう?」
俺は石の剣を作ってみた。それからクリーパーちゃんに持たせると、スムーズに剣を手に持った。ダイヤツルハシは返却された。
「あ、あるね」
クリーパーちゃんに剣を持たせたことで、ゲーム内チャット欄に表示される指示コマンドは「掘る」から「戦う」に変わった。俺は早速「戦う」指示にしようとしたが、一瞬手が止まった。
「俺とは戦わないよな……?」
と俺は迷ったが、大丈夫でしょうと安直に「戦う」指示を出すとそれは起きた。
「たいたーい!」
「え、ちょっ?!」
この大声、音割れしたかも。
俺はあっさりクリーパーちゃんに斬りつけられ、リスポーン画面へ。え、なんで? 俺は困惑が拭い切れなかった
「たいたい、ごめんなさい……」
ベットに戻ってくると、そう落ち込んで謝ってくるクリーパーちゃんがいた。何この子、怖いんだけど?
「えっと……剣より斧にしようか?」
バグなのか仕様なのか分からないまま、俺はクリーパーちゃんに斧を渡してみた。石の剣だったのになんだったんだ、あの威力。
「わーい、ありがとう!」
すると、さっきまで落ち込んでいたクリーパーちゃんはどこに行ったのやら。嬉しそうに飛び回るクリーパーちゃんはいつも通りだった。斧を俺に向けてくることもなさそうだ。
「よし、装備もしたし、もう一回行ってみよう」
一通りの鉄装備はクリーパーちゃんに渡した。鉄装備をしたクリーパーちゃんの可愛いスキンは見えづらくなったが、ネザー探索に防具は外せない。クリーパーちゃんは無邪気について来た。リンリンと鈴を鳴らして。
「はーい!」