第10章 仕様?
「えっと、つまりクリーパーちゃんは敵に狙われやすいってこと?」
俺は現世に戻り、視聴者たちと会話しながら鉄を掘っていた。クリーパーちゃんにもそこらの地形を掘ってもらっている。
視聴者たちと会話していて思い出したのだ。ウエノ氏がなんと言っていたか。
「このクリーパー、鈴をつけているので敵に見つかりやすくなりますが絶大な攻撃力があるので、彼女を活かしつつエンドラ討伐をして下さい!」
「そういえば、ウエノ氏が狙われやすいって言ってたような」
俺はそう呟いて鉄をカマドで焼いた。俺は今、鉄を集めて装備を作っていた。俺用ではなく、クリーパーちゃん用にだ。
「だけど、入った瞬間狙われるんでしょ? ゾンピグに」俺は考えた。「アイツらどうしたらいいんだ……」
それからちらっとクリーパーちゃんを振り向く。クリーパーちゃんは相変わらずの様子だ。
「いっそのこと、ここに置いて行くとか……」
「え、置いて行かないでよ!」
俺が小声で言ったことを聞き漏らさなかったクリーパーちゃんが、そう言って駄々を捏ねた。俺はつい苦笑いをしてしまった。
「ごめんごめん、置いて行かないから」
とはいえどうしたものか。クリーパーちゃんの装備をクラフトしながら、他のレシピをぼんやりと眺めた。
そこに、剣のレシピに目がついた。