第9章 爆発
「ちょっと待ってろ、今助けるからな!」
とはいえどう助けるか。今手持ちの木材だけでボートは作ったが三つだけ。ゾンピグはあっという間にボートに乗ったが、クリーパーちゃんを狙っているのはまだ大量にいる。
「クリーパーちゃん、こっち!」
俺は適当なところで壁を掘り、クリーパーちゃんを呼び寄せた。こういう時の「おいで」はとても便利だ。
すぐさま方向転換をしてきたゾンピグを横目に、俺はクリーパーちゃんを壁の中に閉じ込めた。ちゃんと「待ってて」の指示も忘れずにだ。
ゾンピグは一瞬にして敵対しているクリーパーちゃんを見失ってウロウロし始めた。しかしゾンピグの怒りが収まるまでは、クリーパーちゃんを外に出してはいけないだろう。
「俺が見ていない一瞬に、ゾンピグを叩いたのか……?」
俺はクリーパーちゃんの指示コマンドを確認してみる。そこに「叩く」という文字は一つもない。俺はますます混乱した。
「どういうこと……」
「プギャア!」
そんな時、ガストが湧いた。なんでこんなタイミングで。俺が振り向いた時にはガストは火の玉を放っていて、打ち返そうとしたが間に合わず、ドカンと地形が抉れた。
同時に、クリーパーちゃんを閉じ込めていた壁もあっさり壊れてしまい、散り散りになっていたゾンピグが一斉になって攻撃を始めたのだ。マズイ! と叫んだ時には、もう遅かった……。
ドガン!!
俺は爆発に巻き込まれてリスポーン地点に戻された。クリーパーちゃんはいない。俺が急いでネザーに戻ると、クリーパーちゃんただ一人がそこで突っ立っていた。
「あ、たいたい! 豚さんみんな倒したよ!」
人の心配なんて気にしていないかのように、クリーパーちゃんはぴょんぴょんと飛び跳ねた。