第9章 少年は剣を取る(DMC4本編直前まで)
「……強さに満足したか?」
低い声が響く。
ネロは 顔を上げた。
「は? まさか」
その目は、まだ 燃えていた。
「ここで満足してたら、アンタのところに辿り着けねぇだろ」
バージルは 微かに目を細める。
(ならば、まだ余地がある)
鍛錬を続ける意味はある。
いつか この息子が本当に"自分と対等" になれるのか、見てみたい。
バージルは 閻魔刀をゆっくりと立てかけ、静かに言った。
「ならば、修練を続けろ」
「……へっ、言われなくてもな」
ネロは 挑むような笑みを浮かべた。
ビアンカは そんな二人の様子を見て、微笑んだ。
(……やっぱり、この子はこの子で、バージルの血を濃く継いでるのね)
——父と子の鍛錬は、まだ続く。