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【DMCバージル夢】貴方と生きる【第二章開始】

第9章 少年は剣を取る(DMC4本編直前まで)


 フォルトゥナ教団騎士としての初めての休日。
 ネロは 久しぶりに家へ戻り、ソファに深く腰を沈めた。

 「あー……もう、クソ疲れた」

 ビアンカが温かい紅茶を差し出しながら笑う。

 「お疲れさま。どうだった? 初仕事」

 ネロは カップを受け取り、一口飲んだ。

 「……まぁ、色々と慣れないこともあったけど」

 しばらく沈黙してから、ぼそっと呟いた。

 「俺がいちばん強いみたいだ」

 ビアンカが 瞬きをする。

 「……え?」

 ネロは 無造作に髪をかき乱しながら続ける。

 「親父みたいに動ける奴、何処にもいなかった」
 「……」
 「フォルトゥナを守る、"最強の騎士団" なのにな」

 ——その言葉には、明らかな 戸惑いと、苛立ちが滲んでいた。

 「そりゃ、俺だってある程度は戦えるつもりだったよ」
 「でも、あそこまでレベル差があるとは思わなかった」
 「なんつーか……"これで本当に守れるのか?" って、ちょっと不安になったんだよな」

 ビアンカは 静かに息を吐く。

 (……この子にとっての"基準" は、バージルなんだ)

 ネロはずっと、バージルを見て育ち、彼に叩きのめされるように鍛えられてきた。
 鍛錬では、何度叩き伏せられても "父を超えたい" と思い続けた。
 その"バージル基準" で見れば、確かに 教団の騎士たちは物足りなく見えるのかもしれない。

 「……まぁ、そう感じるのは当然かもね」

 ビアンカは 微笑みながら、ネロの髪をくしゃっと撫でた。

 「アンタ、最強の男に育てられたんだから」

 ネロは 少しムッとしたように頬を膨らませる。

 「……それ言われると、なんか悔しい」

 その様子を、バージルは 読んでいた本を閉じながら静かに見ていた。

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