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【DMCバージル夢】貴方と生きる【第二章開始】

第9章 少年は剣を取る(DMC4本編直前まで)


 一方、当のバージルはというと、

 「……話を盛るな」

 眉間に皺を寄せながら、低く唸る。
 それに対してビアンカは洗い物を終え、けらけらと声を上げて笑う。

 「本当のことじゃないの」

 「……大袈裟すぎる」

 「でもさー、あのときのバージル、ほんっっとに怖かったよ? 冗談抜きで殺されるかと思ったもん」

 「事実、そのつもりだった」

 「ほらー! ねぇネロ、パパはママを本気で殺そうとしてたんだって!」

 「わぁ! すごーい!」

 「……おい」

 バージルは完全に呆れた顔でビアンカを見る。

 「でもね、ネロ。パパは本当に強くてかっこいいんだよ」

 「うん!!」

 「だから、パパが『危ない』って言ったら、ちゃんと聞かないとね?」

 「……うん!」

 ネロは素直に頷き、バージルを見上げた。

 「パパ、ボク、大きくなったらこの剣使えるようになりたい!」

 「……」

 バージルは、黙ってネロの瞳を見つめる。

 キラキラとした、まだ何も知らない、無垢な眼差し。

 「……強くなれ」

 静かに、そう呟く。

 ネロは「うん!!」と満面の笑みを見せた。

 それを横で眺めながら、ビアンカは笑みを深める。

 「……少しずつ、家族になってるね」

 小さく呟いた言葉は、バージルの耳には届かなかったかもしれない。

 ──けれど、彼女は確信していた。

 この時間は、確かに本物なのだと。
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