第4章 ダンテ、顔を出す
その言葉に、バージルの目が細められた。
「あの人、悪魔絡みのことだとすぐ顔出すじゃん? アタシも昔は情報屋だったし、何度か仕事で関わったことがあったのよ」
「…………」
「で、まあ……なんというか、その……」
「……」
「……数年前から、ちょくちょく情報交換してた、っていうか……?」
バージルの顔が、さらに険しくなる。
「貴様、俺と組む前から、ダンテとも繋がっていたというのか?」
「まあ、うん」
「…………」
「……あの、でも! ちょっと待って! 別にアンタを売ったとか、そういうんじゃないから!」
「……」
「ただ、ネロのことがあってからは、さすがに連絡も取ってなかったし……でも、アンタがこっちに住み着いたってわかったときに、『もしかしてお兄さんのこと、心配してるかも?』って思って……それで、軽く教えてあげただけ!」
バージルは鋭い視線を向けたまま、鼻を鳴らす。
「……やってくれたな」
「ごめんなさい」
「ダンテの干渉が増えるのは面倒だ」
「でも、ほら、ネロの叔父さんとしては……」
「余計なことをするな」
バージルはそれだけ言い捨て、踵を返す。
ビアンカは小さくため息をつきながら、心の中で反省するのだった。