第17章 第2章プロローグ
「やはり始末するか」
バージルの冷徹な声が部屋に響く。
「手伝うぜ、クソ親父」
ネロもまた、腕をぐるりと回しながら同意する。
「ちょ、待て待て! なんなんだよ!? そういうときだけ息ぴったりになんなんd……やめろ! おい!」
突如として殺気を帯びた父子のタッグに、ダンテは慌ててヴィオラを抱えたまま後ずさる。
「ヴィオラが危ないだろ!」
「それはそうだな」
バージルがすっと構えを解き、ネロも肩をすくめた。
「当然だ、娘に被害が及ぶような真似はせん」
「まあ、俺も妹には優しい兄貴だからな」
「……だよな?」
「そりゃもう」
ダンテは安堵のため息をつき──
「って、なんで二人とも抜刀してんだよ!!」
「おじちゃま、すっごーい! 剣がいっぱい!」
無邪気に拍手するヴィオラを抱えながら、ダンテはますます青ざめるのだった。