第17章 第2章プロローグ
バージルは少し黙り込むが、何かを思いついたようにすっとヴィオラに手を伸ばした。
「遊んでほしいなら、こっちへ来い」
「えっ」
不意の誘いに、ヴィオラはダンテを見上げる。
ダンテは笑顔のまま親指を立ててみせた。
「ほらほら、パパと遊んでやんな」
「……う、うん」
ちょっとだけ未練を見せつつ、ヴィオラはバージルの腕の中へ移動する。
「何をして遊びたい?」
「えっと……えっと……」
ヴィオラが考え込む間、バージルはちらりとダンテを見る。
「……貴様が今後、ここへ来る頻度を制限する必要があるな」
「いや待て!? なんでそうなる!?」
「俺の娘に、貴様の影響が強すぎる」
「いいじゃねぇか、別に!」
「よくない」
「うわ、ネロとバージルが並んで不機嫌そうな顔してる……めっちゃ怖ぇ……」
ダンテは背筋を震わせながらも、腕を組んでにやりと笑う。
「まあでも、俺がヴィオラに一番懐かれてるってことは、お前らの“努力不足”なんじゃねぇの?」
「……」
「……」
ネロとバージルが同時にダンテを睨みつけた。
「貴様、首の皮一枚で繋がってることを自覚しろよ」
「わかってんのか?」
「はははっ! まあまあ、そんな怖い顔すんなって!」
ダンテが笑って誤魔化そうとしたその時──
「やっぱりダンテおじちゃまと遊ぶー!」
ヴィオラはバージルの腕の中からすり抜け、再びダンテに飛びついた。
「ほらな!」
ダンテは得意げにヴィオラを抱き上げる。
バージルとネロはますます機嫌を悪くするのだった。