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【DMCバージル夢】貴方と生きる【第二章開始】

第4章 ダンテ、顔を出す


 「で、いつ帰る?」

 バージルは腕を組み、壁にもたれかかりながらダンテを睨みつけた。

 「おいおい、俺が来たばっかりだってのに、ずいぶん冷てぇなぁ?」

 ダンテはソファにどっかりと腰を下ろし、悠々と足を組んでみせる。

 「せっかく兄弟水入らずってのに、もう追い出そうってのか?」

 「貴様がここにいる理由はない」

 「あるさ」

 ダンテはにやりと笑い、隣に座るビアンカを肘でつつく。

 「これから俺の義姉さんになる人に、どんな手で落とされたのか聞くためにな」

 「ちょっと!?」

 ビアンカがむせるように驚き、バージルの眉がぴくりと動く。

 「ダンテ」

 低く響く声に、ダンテはまるで気にした様子もなく続ける。

 「つーかよ、兄貴が女と同棲してるって話、聞いた時はさすがに冗談だと思ったぜ?」

 「同棲じゃない」

 バージルはすかさず否定したが、ダンテは面白がるように肩をすくめる。

 「で? どっちが先に惚れたんだ?」

 「おい」

 「告白の言葉は? なぁ、義姉さん、兄貴ってどんな顔して口説いたんだ?」

 「だから!」

 「……貴様をここで始末するのは、決して悪手ではないな」

 バージルの静かな殺気が室内を満たす。

 ダンテは楽しそうに目を細めながらも、微塵も動じず足を組み直した。

 「怖ぇなぁ、兄貴」

 「帰れ」

 「えー、せっかく来たんだぜ?」

 「帰れ」

 「じゃあもうちょいお茶でも――」

 「帰れと言っている」

 バージルの額に青筋が浮かぶ。

 ビアンカはオロオロと二人の間を見つめ、ダンテはさらに態度を崩してニヤニヤと笑った。

 この攻防がしばらく続くことを、ビアンカは直感していた。
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