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【DMCバージル夢】貴方と生きる【第二章開始】

第4章 ダンテ、顔を出す


 ダンテがフォルトゥナに現れたのは、ある晴れた昼下がりだった。

 「へぇ、本当に住んでるんだなぁ、お前」

 玄関先に立ちながら、ダンテは感慨深げに家を見回した。

 まさかバージルが女と同居しているとは、にわかには信じがたかったが――こうして目の前に家がある以上、どうやら事実らしい。

 「何の用だ、ダンテ」

 ドアを開けたバージルは、明らかに歓迎する気のない声でそう言った。

 「いやぁ、ちょっとした噂を聞いてな」

 「噂?」

 「お前が女と一緒に住んでるって話だ。こりゃ確かめないわけにはいかねぇだろ?」

 バージルの目が細まり、わずかに威圧的な気配が漂う。

 「……誰から聞いた?」

 低く静かな声音に、ダンテは肩をすくめた。

 「おっと、そりゃちょっと言えねぇな。情報源の秘匿ってのは大事な――」

 「……」

 「いや、そんなガチギレしなくても!」

 じりじりと迫るバージルに、ダンテは苦笑しながら後ずさる。

 そのとき、後ろからふと気配が動く。

 小さな咳払い。

 視線を向けると、ビアンカがわかりやすく目をそらしていた。

 バージルはすかさず鋭い視線を向ける。

 「……貴様か」

 「…………」

 「ビアンカ」

 「………………」

 「ビアンカ」

 「……その……」

 明らかにバツが悪そうに、ビアンカは小さく縮こまる。

 「えっと……いや……だって……」

 「何のために」

 「……えっと……」

 バージルの視線に射抜かれ、ビアンカはますます声を小さくする。

 彼の機嫌がどんどん悪くなっているのが、言葉にしなくても伝わってきた。

 「……後で話す」

 短く言い捨てると、バージルはドアを開け放つ。

 「入れ」

 「へぇ、俺を招いてくれるとは珍しいな」

 ダンテはにやりと笑い、家の中へと足を踏み入れる。

 ビアンカはこっそりバージルの機嫌をうかがいながら、そっと後ろに隠れるようにしていた。
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