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【DMCバージル夢】貴方と生きる【第二章開始】

第10章 神と、仔等(DMC4原作沿い)


 暗く、湿った古城の地下。

 重い空気が充満し、どこか血の匂いすら漂っている。

 ネロは、ひたすらにダンテの痕跡を追い続け、ここまでやってきた。

 そして、たどり着いたのは、アグナスの研究室だった。

 「……なんだ、ここは……?」

 異形の刃が並ぶ薄暗い研究室の中央に、ひとりの男が立っていた。

 魔剣教団の幹部、アグナス。

 眼鏡の奥に潜む狂気的な光を揺らしながら、彼は小さく笑った。

 「やはり、きてしまったな」

 ネロはレッドクイーンを構え、警戒を強める。

 「ずいぶん薄汚い場所で気味悪いことやってんだな」

 「生意気な小僧だな、ここでし、し、し死ぬんだ」

 アグナスが手を振ると、研究室に仕込まれていた剣型の悪魔たちが、一斉にネロへと襲いかかる。

 「チッ……! こいつらは……!」

 ネロはレッドクイーンを振るい、敵を斬り払う。

 爆発する炎、飛び散る金属片。

 だが、敵の数が多すぎる。

 それでも――。

 「うおおおお!!!」

 ネロは全力で剣を振るい続け、悪魔の群れを蹴散らしていった。

 そしてついに、すべてを撃破し、アグナスを追いつめる。ネロの、淡く輝く右腕を見て彼は声を震わせる。

 「……そ、そ、それは悪魔の力! どうしてお前が…!」

 アグナスの顔が歪む。

 「終わりだな……」

 ネロが息を切らしながら剣を構えた、その時――

 「はたして、そうかな!」

 激しい金属音とともに騎士の鎧のようなものが大量に突撃してくる。不意を突かれたネロはなすすべなく壁にはりつけにされてしまう。

 ネロの体に、鋭い刃が突き刺さった。

 「ガハッ……!!」

 視界が揺れる。

 胸から大量の血が噴き出す。

 手足の感覚が遠のく。

 (……クソッ、動けねぇ……!)

 アグナスの歪んだ笑い声が、遠くで響く。

 「安心してくれ、君の体は無駄にしない。髪の毛の一本までしっかり研究し尽くして、……ああ、特に、その右腕をね」

 ネロの鋭い視線が、血の唾と一緒にアグナスへとぶつけられた。

 「マスかくなら一人でやってろよ」

 だがアグナスの答えはさらにもう一撃の刺突だった。さすがのネロも、意識を沈めそうになってしまう。

 だがその瞬間。

 キリエの顔が脳裏に浮かんだ。

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