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【DMCバージル夢】貴方と生きる【第二章開始】

第9章 少年は剣を取る(DMC4本編直前まで)


 フォルトゥナ騎士団本部。

 報せを受けた時、空気が凍りついた。

 「キリエ様の隊が、悪魔に襲われた!?」

 知らせを受けた騎士団の面々は、騒然としながらも信じたくないような顔をしている。

 「全滅……? そんな……」

 「ネロは!? ネロは無事なのか!?」

 「……」

 バージルは 黙ってその場に立っていた。

 ——その瞳が、冷えた光を帯びていく。

 「ネロは……すべての悪魔を倒しました」

 報告を受けた騎士が かすれた声で続ける。

 「しかし……その後、倒れました」

 「現在、意識不明のままです……」

 「キリエ様が看病しながら、今フォルトゥナへ向かっています」

 「明朝には到着する予定です」

 ビアンカは 胸を押さえ、息を詰めた。

 「……そんな……」

 悪魔をすべて倒した。
 だが、ネロ以外の騎士たちは全滅し、ネロ自身も倒れたまま目を覚まさない。

 どれほどの戦いだったのか。
 どれほどの力を振るい、どれほどの命を賭したのか、考えたくもない。

 「……」

 ビアンカが 震える手でバージルの袖を掴んだ。

 「……バージル」

 バージルは、何も言わない。

 ただ、その瞳が凍てついていた。

 そのまま バージルは無言で踵を返す。

 「……アンタ、どこ行くの」

 ビアンカが 問いかける。

 バージルは、ただ一言だけ告げた。

 「迎えに行く」

 そのまま、彼の背中が闇へと消えた。

 夜明けとともに、ネロとキリエを乗せた馬車がフォルトゥナへ帰還する。

 それを待つことなく、バージルはすでに動いていた。どうやってか、夜のうちに彼らと合流し護衛を買って出たそうだ。
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