第18章 大王様との再会。
身近な人の死を経験して
自分の死が怖くなった
私は普通の人よりも脆く壊れやすい
いつどんな事で壊れてもおかしくない
死なんて自分も直ぐにやってくるのかもしれない
そんな不安が体中駆け巡った
逃げ出したかった
私はおばあちゃんの家を飛び出して
あてもなく歩いた
どこを歩いてるのか自分でもわからなかった
気づいたら河原沿いを歩いてて
続いてる道をひたすら歩いた
「ハァ・・・ゼェ、ゼェ・・・」
どれだけ歩いたのかわからない
死の恐怖を感じているのに、私は自分の限界を試したかった
「もう・・・・休まないと本気で危ないかも・・・ハァ、ハァ」
そしてやっと足を止めた
すると突然大きな声が聞こえてきた
「――――――っ!バーカ!バーーーーカ!!」
(バカって・・・・小学生が叫んでるの?)
私は叫び声のする方へ進んだ
するとそこには、私が想像してた小学生ではなく
ジャージを着た・・・・中学生?高校生かな?くらいの男の人が河原沿いにたたずんでいた
近づくと、彼は目からはたくさんの涙と鼻からは少しの鼻水を流していた
凄く悔しそうな顔
「変な顔」
「っ!!?なっ!?きっ、聞いてたの!?」てか誰っ!
「聞いてないよ。バーカってとこしか」
「聞いてたんじゃんっ!」
「何でそんな泣いてんの?」
そう問いながら、私はポケットの中にあったハンカチと取り出して差し出した
「・・・・ありがと。」チ―――ン!
「げぇっ!!」
鼻水・・・・・
「ハイ返す」
「もういりません。」
泣いてるから同情してあげたのに、なんて仕打ちだ
「今日さ・・・負けたんだ」
「え?」
何も聞いてないのに、彼は勝手に話し始めた
「試合っ!!負けたのっ!!」
「あぁ・・・・それは残念だったね」
「本当ムカツク相手でさー!!むちゃくちゃ強いんだよね!俺たちだって結構強いんだよ!?後輩にも・・・」
よく喋るなこの人・・・・
とりあえず聞いてほしいんだろうと思ってかるく相槌だけ打っておいた