第1章 一人じゃないよ、約束ね
「茨の谷の王子様じゃないの~?!」
赤の妖精が騒ぐ
『茨の谷?
はじめましてになるわねドラコニア様』
「カノン様早く中身をお読みになって!!」
青の妖精がそわそわしている
"はじめまして。カノン姫
僕はマレウス・ドラコニアだ。
茨の谷の王子をしている。
突然ですまないが僕の家臣...というか友人、家族?
が妖精族のパーティーをしたいと言ってきかないの
だ。
是非来てくれないだろうか?"
「パーティーのお誘いなんて素敵ねぇ!!」
黄色の妖精の声が響く
「新しいドレスを用意しなきゃ!」
赤と青の妖精は腕を巻くって忙しなく部屋を出ていった
黄色の妖精も後を追う
『パーティー...ね』
いつぶりかしら、50年前いや70年前か
気合いを入れなくちゃ
北の妖精の国から茨の谷まで馬車で六時間半位かかるから
昼にはいかないと間に合わないな
久しぶりのパーティーにわくわくするわ