第1章 Episode:1
ーん?私今なんて思った?
“羨ましい”???
ハンジに対して?
いや、なんでそもそも、なにが羨ましいんだ。
ん?おかしいな、ん???
ーもしかして、そんな躊躇なく触れるハンジのことが…?
あーもうやめにしよう。
とりあえずおかゆを食べさせなければ。
『ほらリヴァイ。あーん』
「ん…」
小さく口を開けおかゆを食べている。
もぐもぐと効果音が付きそうな食べ方に頬が緩む
「あつっ…」
『あっ、ごめん熱かった?』
流石に冷まさせなさすぎなかったのか…。
このままやけどはまずい。と、もう一口掬い「フゥ~、フゥ~」と息をかけ冷ます。
ある程度冷ましたあと口へ運び、食べさせる。
『どお?熱くない?』
「ん…ちょうどいい…」
『よかった。まだ食べられそう?』
「ん…」
こくり、と頷き、こちらは『ラジャー』と返事をする。
掬い、冷まし、食べさせる。
それを繰り返していたら、おかゆは残っていなかった。
『お~、全部食べれた。食欲は意外とあるんだね。』
「ーあぁ。」
目もさっきよりかは涼しくなっていて、呼吸もいつも通りに戻っている。
流石はアッカーマン家一族の血を引く者。
多分ケニーが言っていた「リヴァイ・アッカーマン」と言う名は本当なのだろう。
リヴァイのこの強さにも病気や怪我の治癒スピードなど、明らかに人間離れしている点にも納得ができる。
としたら私の一家はどういうことなんだ…。
あのアッカーマン一族より強いとは、結構ブッ壊れだぞ…。
「ん…寒い…」
寒いらしいのでズレた布団をかけ直す。
さっきより目がトロンとしてきた。
眠いのだろう、このまま寝かせてリヴァイの書類仕事終わらせなければ。
『ごめんハンジ、看病頼んでも良い?
私リヴァイの書類仕事終わらせちゃうから。』
「それなら反対のほうが良いんじゃない?
確かに兵士長の仕事は兵士長がやったほうが良いけど、多分リヴァイの心境的には私じゃなくナギーアに居て欲しいって思うんじゃない?少なくとも私はそう思う。」
『ん~…じゃあこっちの机に書類持ってきて、こっちのソファでやるよ。これならリヴァイを見守れるし、仕事もできるし。』
「それじゃあナギーアが大変じゃないか…」
『ううん、大丈夫!さっきの訓練で元気になったから!』
そうかい…と渋々承認して帰って行った。