第3章 Episode:3
「…なぁナギーアよ、…さっき言っていた『リヴァイに甘えたい…』はただの巫山戯だよな…?」
黙々と掃除をしていた中、突如開いた口から出てきた言葉は意外なものだった。
『…嘘じゃ…ない…。
今日…リヴァイと…一緒に…寝たい…//。』
「…は?何年ぶり、お互い何歳だと思ってんだ」
『うるさいなぁ…。
甘えたいって思う気持ちに年齢関係ないでしょ//!』
さっきっからナギーアの顔が赤い。
…熱でもあんのか?
流石に鈍感すぎるリヴァイを横目に、一生懸命机をゴシゴシ磨くナギーア。
まるで頭の中にある羞恥心を隠すように。
『…ダメなら晩御飯食べて帰るさ。
嫌ならハッキリ言ってくれ!…気が気じゃない。』
「………」
『………』
少しの沈黙の後、やっぱりなんでもない!と言おうとした次の瞬間
「…良い。」
『ーえっ?』
「一緒に寝るの良いと言ってるんだ。
何回も言わせるなこのクソ野郎が…///」
ー許可された。
あのリヴァイが
赤面をしながら恥ずかしそうに許可してくれた。
ー勝った。
そんな気がした。
『ーやった…。
じゃあ早く掃除終わらそ!
お腹も空いてきた…へへへ』
なんだか自分も恥ずかしくなってきて、また机をゴシゴシ拭き始める。
が、
「もう良い。飯を食いに行くぞ」
拭いていた手を捕まれ、グイッと引き寄せられた。
『…へ?へ??えぇ…???』
あの潔癖症リヴァイが…掃除を途中で止める…?!
なにか頭でも打ったのか?いや頭打っても潔癖は治らないだろう。
しかも雑巾で濡れプラス汚れている手を、しっかりと掴んでいる。
正直ありえない行動だ。
あんな日常的に人を触りもしないリヴァイが、今自分の手を掴んでいる。
しかも相手は(多分)嫌っている相手。
正直、誰???
『ちょっ、え?
掃除を途中で終わらせちゃっていいの?!』
「…いーんだよ。
元々全部終わっていた。」
『ハァ~!?
じゃあ今までの掃除全部無駄だったのぉ?!』
流石にそれはないだろうと言わんばかりに反抗する。
「…いや、でも感謝してるぞ。
磨きがかかった。特に机とかな」
そう悪戯っぽく笑うリヴァイを憎めない、そんな自分が心の片隅にずっとうずいているんだ。
…この野郎が…