第1章 Episode:1
執務室のドアを開け、ソファに寝させる。
クッションを枕代わりにし、とりあえずという訳で自身のマントを布団代わりにかけておく。
流石にこれでは寒いと思うので、急いで布団を取りに行こうとする。
『ごめんね、いま布団取ってくるね。』
「ん~…あぁ…」
起きているのか寝ているのかわからない返答だが、とりあえず急いで私室に行く。
リヴァイの部屋を勝手に入るのは…と気が引けたので自身の部屋に行く。
リヴァイ潔癖症だから他人の布団使いたくないかもだけど、そんなこと言っている場合ではないと丸めて持って行く。
さっきっから疾走し続けている足は少しずつだが疲弊してきている。
そんなこと関係ないだろうと走り続けるが、足が少し縺れコケそうになる。
衝撃が来るー。
そう覚悟し目をぎゅっと瞑ったが、想像した痛みは来ない。
そ…っと目を開けると、両手で支えてくれているハンジの顔があった。
「珍しくそんな大荷物持って兵舎走り回っててどうしたんだい?なにかあった?」
『いや、なんでもないよ。
ちょっと訓練から帰ってきたんだけど、リヴァイの体調があまり優れてないっぽくて』
パッパッと布団を手で払い付いたは知らないが一応ホコリなどを落とす。
「えっ?!あのリヴァイが?!
手伝うよ!ちょうど書類仕事も終わったことだし」
『でも私のせいだし…』
「そんな呑気なこと言ってられないでしょ!
布団は私が持って行くから、お水と医務室に行って薬を処方してもらってきてくれ。」
『ー、了解。ありがとうハンジ。布団頼んだ。』
そういいハンジに布団を託すと、まずはじめに薬を処方してもらうために医務室へ走る。
とりあえず処方してもらった薬を水と一緒に持って行って、次に兵舎にあるもので簡単なおかゆを作った。
アツアツのうちに!と思い急いで執務室にダッシュする。
今日走ってばっかりだな…なんて思いながら少し控えめにドアを開ける。
『ありがとうハンジ。おかゆ持ってきたよ。』
「あぁありがとう。リヴァイ、ナギーアがおかゆ持ってきてくれたよ。起き上がれるかい?」
とゆっくり腰に手を回しリヴァイを支えるハンジ。
どこぞの新婚夫婦だと思ってしまうのは私だけだろうか。
羨ましい。