第1章 Episode:1
「上司を馬鹿呼ばわりしてるお前もなかなかだぞ」
『正論だ。ほら行くぞ、まずは剣からだ。』
まったく、、、と少しため息をつきながらも素直に付いてきてくれるリヴァイ。これをツンデレとでもいうのだろう。
正直こんな目で人を殺せるようなやつが時々デレて、時々ツンツンしているギャップマシマシ人だとは思えなかった。
ペトラの恋愛用語の底が見えない…。
ペトラ(若い女子)、恐るべし…。
『立体機動装置の使用許可はもう取ってある。
もちろんガスの補充も点検も完璧。あとは訓練場に行くだけ』
「もしここで俺が頷かなかったらどうするつもりだったんだ」
『?何言っての?拒否権ないって言ったじゃん』
「無自覚サイコパスかよ、おぞましいな」
『なっ、人間をおぞましいなどと…。
全人類に謝れー。』
「必要ねぇ」
なんて他愛のない話をしながら、2人は愛馬に跨り平地を駆け抜けていく。
少し冷たい風と燦々と輝く太陽の光がが私たちに注がれている
暑くも寒くもない、ちょうどいい体温
すこしポカポカしていて、思わず頬が緩んだ。
『温かいな今日は。久しぶりの直射日光は暑いが(笑)』
「ーあぁ、そうだな。
訓練場まであとどのくらいだ?」
『あと5分程度かな。
何もなければすぐ着くよ』
「了解だ。」
規則正しい馬の駆ける音と少しの揺れが気持ちいい
もっと乗っていたい、もっとリヴァイと一緒にこの平地を駆け抜けたい。
と思うのは、少しおかしいことだろうか。
「ーーー、ーーー?ーーー!ナギーア!」
『わっ?!…ごめん、ボーッとしてた…』
「いや、良い。それより着いたぞ。訓練場だ」
20m程度の林、その前に広がる整備された土の床
風が少し吹くだけで木々が揺らめき、心地よい音を奏でる。
「まずは剣だったな。やるぞ。」
『ハイハイおせっかちさん』
「誰がおせっかちだ我儘野郎が」
『うっわ、心外だねっ!』
勢いよく、しかし静かに不意をつくようにリヴァイに木刀を振る
それにピクッと反応したリヴァイは私の剣筋を予測し弾き、お互い剣道のような打ち合いが始まる。
悪口の言い争い(?)本当にしょうもない。
けれどこの感じは何よりも好きだ。
いつも通りって感じで、リヴァイといると安心する。