第3章 Episode:3
「…ナイルはそれは当たり前だと受け入れてくれたが、言い出しっぺの地方貴族様が許してくださるかどうからしい。」
「なるほどね、結局のところ優秀な手駒を自分の下において身の安全を確保したいわけか。如何にも…いや、やめとこ」
如何にもどこぞの自己中がやりたそうなことだ。
と言いたかったが、流石に怒られそうなので寸前で飲み込んだ。
『議題にまで持ちこたえてくれたんでしょ、ナイル師団長が。
一端の兵士長なんてすぐ自分の所に持っていけるはずだし。』
ハァ、と大きい溜息をつき、机に腕を伸ばして突っ伏す。
『あーもー面倒くさい。
いっそ行っちゃおっかな…。流石に本職は腐っても“調査兵団兵士長”なんだし、壁外調査にも…』
「100%海っつーのは見れねぇだろうな。」
『!』
「(うーわ結局か…)」
使わないで済むと思った弱いトコに漬け込む作戦はやはり実行されてしまった。意地悪だなぁ…、ナギの弱いトコ突くなんて…。
「お前が言う火の水も、氷の大地も、砂の雪原も。
絶対見れねぇだろうな。お前がどう足掻こうと地方貴族はそんなところへ行かせねぇ。
少なくとも俺が地方貴族で自己中だったら自分の最高戦力を壁外には出さねぇな。」
「独占欲強っ」
「あ”???」
ナギーアは更に力を抜き、机に溶けるように突っ伏す。
コイツ下手すると机と同化すんじゃねぇか…?
『あー面倒くさい面倒くさい。
貴族様は実に面倒くさい。
てかいつも面倒くせぇんだよな地方貴族とかって。
御子息とのお茶会と言うなの夜会もダルいし
結婚を前提に付き合いましょうみたいなの言われるのキモいし
挙句の果てにはつい最近手出されそうになったし。
地位の高いお方の相手はほんっとダルい…。』
リヴァイやハンジ、エルヴィン、ミケも心当たりがあるのだろう。
心底嫌そうに眉を顰めていた。
「…まぁ私も一回ベッドに連れ込まれたことあったけど、巨人の話でマシンガントークして逃げてったんだよなぁ。」
『私撃退方法いっつも手刀で気絶させて叫んで、『急に意識を無くされて…』って言わなきゃいけなかったからいーなーその方法』
と夜伽対策を言い合っている女性陣。
ある意味強すぎる女性陣に対し、ほんの少し恐怖を覚えたエルヴィンとミケと
「ハンジも襲われるのか」
と失礼すぎる発言をしたリヴァイであった
