第2章 避難生活
船を降りて、連れて行かれたのは、食糧庫だった。
船から降りた人たちは皆ここに集められており、室内は人で溢れ返っていた。ざわめきと悲鳴、すすり泣きが混ざり合い、重苦しい空気が漂っている。
わたしはアルミンと一緒に、両親を探して人混みを歩き回った。両親の特徴を絵に描き、周囲の人たちに見せながら声をかけた。
「この人たち、見ませんでしたか?」
けれど、多くの人は自分のことで精一杯で、こちらの話をまともに聞いてくれる人はほとんどいなかった。
♢ ♢ ♢
避難生活が1週間ほど経った頃。
毎日両親の無事を信じ、探していたが、情報の1つも見つからず、次第に諦めの気持ちに胸が締め付けられていた。
――お母さんもお父さんもいなくなっちゃったら、わたしこれからどうやって生きていけばいいの。
エレンはミカサとこれからも一緒にいるだろう。
アルミンにはおじいちゃんがいる。
でも、わたしは?
避難生活が終わったら、わたし、一人ぼっちになっちゃう。
今までお母さんとお父さんと暮らしていたのに、急に一人で生きていける気がしないよ。