• テキストサイズ

【進撃の巨人】自由の翼【R18】

第2章 避難生活


「サクラ、配給もらいに行こう」

アルミンに声を掛けられ、わたしはアルミンと配給の列に並ぶ。
配給の量は日を追うごとに少なくなっていた。

きっとこのままでは配給も底を尽きてしまうだろう。
避難民たちもきっと薄々感じ始めている。

「サクラはこれからどうするか考えてる?」

「うーん。」

「このまま一生避難生活ってわけにはいかないと思うからさ。僕は、2年後、エレンとミカサと同じく訓練兵に志願しようと思ってるんだ。」

アルミンの表情は決意に満ちていて、覚悟の強さが伝わる。

「そっか。私は……」

言葉に詰まった。

わたしは、もう二度と巨人なんて見たくない。
戦って勝てるなんて到底思えないし、ただただ怖いだけ。
でも、わたしも訓練兵に志願したら、みんなと離れなくて済む。ひとりにならなくていい。

わたしは巨人と戦う怖さより、ここでみんなと離れてひとりぼっちで生きていく方が、怖い―――

「わたしも……訓練兵に志願する。」

そう口にすると、アルミンは驚いたような表情を浮かべ、心配そうに私を見た。

「本当に良いの?」

その問いにわたしは、正直な気持ちを絞り出すように伝えた。


「みんなと離れてひとりぼっちになりたくないの。」


きっと、もう両親に会うことは叶わないだろう。

いつだってわたしに優しかったお母さん。
そんなお母さんを愛していたお父さん。
この生活は当たり前に続いていくものだと思っていた。

あぁ、来月産まれるはずだった赤ちゃんにも会いたかったな。
お姉ちゃんって、呼ばれてみたかった。
きっと、とっても可愛くて愛さずにはいられなかっただろうな。

涙が溢れてくる。
その隣でアルミンは、何も言わずただ悲しそうな表情でわたしを見つめていた。
/ 22ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp