第3章 口減らし
名前を呼ばれた避難民たちは一か所に集められた。
周りを見渡すと、わたしがこの中で最年少であることに気づく。
「こんな若い子も参加するなんて、かわいそうにねえ。」
隣にいた年配の女性が話しかけてきた。
わたしはどう返答していいかわからず、愛想笑いを浮かべることしかできなかった。
しばらくすると、ブロンド髪で碧眼の男が現れた。
彼は調査兵団の制服をまとい、その存在感からただ者ではないことが一目でわかる。
「私は調査兵団団長、エルヴィン・スミスだ。」
その声が響くと、避難民たちは一瞬ざわついたが、すぐに静まり返った。
「集まってもらった皆さんには、これから体力テストを行ってもらう。その結果をもとに、作戦での配置を決定する。」
エルヴィンの厳格な声が会場に響く。
しかし、その言葉に対して避難民たちは苦々しい表情を浮かべるばかりだった。
「どうせ、どこに配属されたって死ぬ運命だろうよ……」
誰かが小さくつぶやく。
その言葉に、多くの者がうなずき、目を伏せた。