第3章 それから
「サイタマを誘き寄せるはずが怪人しか来ない!」
目尻を釣りあげて怒る彼に私は遠い目をする。
…すみません、本当に。
何体相手にしたのかは分からないが、彼の様子から察するに相当数倒し続けている。
サイタマさんやジェノス君は涼しい顔をしているから知らなかったが、普通はこうなるのだと今知った。
私の血による怪人への誘引力は間違いなく増している。
それを気付かないレベルまで下げてくれているサイタマさんの影響力とジェノス君の察知能力、2人の実力に今更感謝をする。
「…!」
そんなことを思っている内に息を整えている男の背後に忍び寄る怪人を見つけて、咄嗟にンー!と声(?)を上げて知らせる。
私の視線の先に気付いた男はすぐさま振り向いて刃物で切り裂いた。
倒れた怪人が動かないのを確認すると、彼は静かに私の側まで歩み寄る。
すると怪人を倒した刃物をそのまま私の喉元に当てた。
「お前、何者だ。なぜこんなに怪人が現れる。」
喉元に刃物を当てたまま乱暴に口のガムテープを剥がす。
外気を浴びた口に開放感を感じながら、私は口を開いた。
「…すいません。」
一言目に謝罪を発した私を見て男は一瞬は?と呆気にとられた。
が、すぐに厳しい目付きに戻して刃物を突き立て直す。
「何故と聞いている。」
刃物は怖いので頭を動かして首を逃がしながら、
「話します…でも話せば長くなるんです。」
と言った。
それを聞いた男は舌打ちを盛大にして刃物を懐に収める。
そして気怠そうに隣にドカッと座り込んだ。
男が攻撃してこないことを確認すると私はこの体質のことを一つずつ話し始めた。