第2章 ここから
ヒーロー協会まで全速力で走ると、息を切らしたまま受付のお姉さんにすぐそこで自転車マンさんが怪人と戦ってくれている事を伝えた。
するとお姉さんは急いで何処かに電話をかけてくれて、もう大丈夫ですよと言って背中を撫でてくれた。
息が整ってきた私はついでにお姉さんに面接に来たことを言うと、驚いたように災難でしたねと言って面接室に案内してくれた。
災難なのはどちらかというと自転車の彼の方な気が…
何はともあれ無事に面接を受けることができた。
自転車マンさんが無免ライダーという名のヒーローであることを知ると、先程助けてくれたお礼を兼ねて面接の好きなヒーローを答える時に口頭で名前を出しておいた。
サイタマさんは名前を書いたが、面接官が首を傾げるので話が広がらなかった。
それには少しガッカリしたが、まだヒーロー登録されて間もない。無理もないか…
面接が終わってから気付いたのは履歴書を持って面接に来ている人はかなり多く、その大半は若い女性であった。
可愛らしく着飾って来る人ばかりの中で、パーカーで来てしまったことを恥ずかしく思い足早にヒーロー協会を後にする。
清掃のアルバイトだからと言っても、パーカーは流石にラフ過ぎたかもしれない。
どんな後悔をしようとも後は結果を待つだけ。
応募する人数が多いためあまり自信が無くなってしまったが、いい報告が来る事と無免ライダーさんの無事を祈った。