第1章 異世界転生
その後、状況を収めたのは王族である第二王子だった。彼の幼馴染で、自分の陣営に引き入れたいが為の打算もあったそうだ。しかし、最後まで彼は第二王子の陣営には入らなかった。
そして、それは公爵家として中立をと考えている事を一貫として貫くそうだ。お祖母様の生きている限りは、それは違えない事となっている。
そういう思惑もあって、孫である彼を隣国に留学させていたのだろう。面倒ごとから引き離す為に。そして、伴侶になる家柄にも中立を願っていたそうだ。
「そして、その要望にピッタリだったのがウチであるフィール家。」
「それだけが理由じゃないよ。きっと、ウチは中立派閥の筆頭をこのまま続けていくだろうから。嫌でしょ?王族の派閥なんて面倒で。」
「そ、それは肯定しても否定しても問題がある様な・・・。」
「私は面倒だと思う。あ、もしかして王族に名前を連ねたい?それなら、別の意味で頑張るけど。」
「えっ、そんな面倒なっ、あ・・・。」
「フフ、冗談だよ。それで、私で手を打たない?自分で言うのもアレだけど、優良物件だと思うよ?それに、オフィーリアの商品の知識って聞いていて面白いし。」
「面白いって・・・。」
「私は、オフィーリアが好きだよ。」
「えっ?」
「ごめんね?痺れを切らした祖母が、フィール家に縁談の申し込みに行っていると思う。他の誰にも、オフィーリアを取られたくないんだって。」
口をパクパクさせていると、彼は私の手を握り締めた。
「私を、オフィーリアのものにして?地位も名誉もお金も、オフィーリアが望むもの何でもあげる。だから、私をオフィーリアだけのものにして。愛してるんだ。」
「浮気は許しませんからね?」
「勿論。そんな心配必要ないよ。他の女性なんて、興味ないから。大丈夫、結婚式は卒業式の翌日で準備しているから。直ぐに私をオフィーリアのものに出来るよ。」
「えっ・・・よ、翌日?」
「招待客には話しは通してあるし、皆が私たちの事を応援してくれてる。私を幸せにしてね?」
「そ、それって、逆の・・・。って、いつからこんな用意周到な・・・。」
「さぁ、いつだろうね?」
結果は同じだとでもいうかの様に、笑顔の彼に私は仕方ないなと諦めた。
その後の、物語のメインだった公爵家。あの後、共に婚約破棄。長男の方は、直ぐに別の令嬢と婚約して結婚。次男は、事実を知って意気消沈。
