第1章 異世界転生
隣国から、何とか縁談を得て結婚。今までの事の反面教師か、今の相手をとても慈しんでいるらしい。
そして、幼馴染は取り巻きの中で騒動となって・・・どうやら、国でも一番厳格な修道院へと入れられたそうだ。残された取り巻きたちは、周りの貴族から冷ややかな目で見られて、誰とも縁を紡ぐ事は出来ずに生涯独身を通した。
うん、こんな結末もいい。
「この肖像画・・・。」
私は、ベクサー家に輿入れして一枚の絵画を見た。
「あぁ、お祖母様とお祖父様のものだよ。」
勿論、お祖母様は理解できる。でも、その隣りにいる人を見て眩暈を覚えた。
「お祖父さまって、そそっかしくていつもお祖母様に叱られていたらしいよ。」
「そう・・・。昔から、そそっかしかったのね。」
「えっ?」
「ううん、何でもない。」
まさか、あの自称・神様がお祖父さまの生まれ変わりって・・・。それにしても、顔はソックリだわ。
「ルシアン?」
「うん?」
「ルシアンは、お祖母様似よね?」
「そうだね。よく言われる。」
「それで・・・これが結果って事は、計画してたってこと?」
「オフィーリアの妊娠のこと?」
「まさか、新婚旅行中に妊娠が発覚するなんて思ってもなかった。あの時、避妊しなかったってこと?」
「結果は同じ。それに、マリッジブルーとかになって捨てられない様にしたかったから。」
あまりにもいい笑顔で言われるから、それ以上は何も言えなかった。
「たくさん作ろうね?私たちの愛の結晶。」
「まだ、私が逃げるとか思ってる?」
「逃げる・・・とは思ってないけど、オフィーリアは魅力的だから心配なんだ。オフィーリアに任せた事業は好調だし、最近、忙しくしてるよね?」
拗ねた様に言う旦那様に、私は笑った。
「ルシアンは、私のものでしょ?ずっと、私の傍にいないと承知しないから。」
「大丈夫、何処にも行かない。ずっと、オフィーリアの傍にいる。」
可愛い旦那様を労わりつつ、抱き付けば幸せそうに微笑んでくれる。
「ねぇ、そろそろ無理しなければいいんだよね?オフィーリアを抱きたい。」
「いいわよ。但し、無理はしないでね?」
「勿論。」
公爵家の事業は夫婦共に発展し、領地も栄えて行った。