第1章 ヒーローとの出会い
千明side
「ん……その制服……」
俺の制服に気づいた警察官は驚いていた。
無理もない。
俺の通っている高校は頭が良いと有名な私立高校。
どこを見渡しても皆勉強できる奴ばっかだ。
そんな高校に金髪でピアスの俺が通ってるなんて信じられないのだろう。
俯いて居ると響也と呼ばれていた男が俺の目の前に学生証を置いてきた。
いつの間に取ったんだコイツ。
「住所はここだ。さっさと送ってくれ。」
「響也先輩、住所知ってたんなら自分で送ったらいいじゃないですか……」
そんな風に後輩から愚痴を言われても顔色一つ変えずに、「業務時間外だ」と一言だけ言ってその場から立ち去ろうとした。
それと同時に交番に一人の男が入ってきた。
どこかで見覚えのある人だ。
最近会ったような……
「お兄さんどうされました?」
俺の前に座っていた警察官が話しかけた。
すると怒鳴り散らかすように、
「昨日殴られたんだよ!知らねえ男に!」
「あっ!」
見覚えがあると思ったら昨日俺を襲ってきた奴じゃねぇか!
そんな俺たちを横目に黙々と話を続ける。
「どんな見た目してたんですか?」
「えっと…身長は…」
男は殴ってきた相手の特徴を言っていく。
実際にその殴った男は俺の隣に今いるんだが。
「そもそも何故殴られたんですか?」
「し、知らねぇよ!急にそいつが!」
すると響也と呼ばれていた男がその男の肩に手を置き話し始める。
「……俺が詳しく話してやろうか?クズ野郎。」
「え……なんでお前が…」
男は急に顔が青ざめていった。