第3章 確信
響也side
「三上、落ち着け。」
俺がそう声をかけると、布団の上に置いていたお金と通帳を俺に向け投げつける。
「あんたに何が分かるんだよ!普通の家庭に生まれて、αで愛する人と出会って、番になって!どうせ俺に優しいのも今だけだろ!あんたも俺を捨てるんだ!その気にさせて身体だけ狙ってるんだろ!」
「違う!俺はそんなこと思ってない!」
暴れだした三上を落ち着かせようと思いっきり抱きしめる。
それでも三上は「離せ」と暴れ続ける。
「もうやめてくれよっ!離せよ!」
「俺はお前がいないといやだ!」
「またそういうことっ!うぅ……何でそうやって勘違いさせるようなこと言うんだよっ……ひっ……俺には何もないっ、アンタを喜ばせれるようなこともできないっ、顔だって整ってないっ、性格も良くないっ、出来ることはフェロモンでアンタを誘惑することだけだっ!」
少しずつ落ち着いてきたのか、俺を殴っていた手の力が弱くなり今では俺の服を握りしめている。
「お願いだから……死なせて……うぅ……死なせてよ……」
「大丈夫だ。お前には何もないことなんてない。俺はお前がいないと嫌なんだ。また帰ってきて欲しい、一緒に飯も食いたい。お前が家に来てから帰るのが楽しみになってきたんだ。だから死なないでくれ。」
三上の頭をゆっくり撫で、俺の気持ちを伝える。
「……そんなの信じろって言うのかよ……」
「……信じてくれたら嬉しい。」
「……無理……だって。でも……信じたい。今は無理だけど。」
「それでいい。ゆっくりでいい。」
「……さっきは物投げてごめん。」
落ち着いたのか、俺の胸に顔を埋めてきた。
三上の耳が少し赤くなっている気がした。